高齢者・障害者対応福祉住宅リフォーム

４月に完成見学会を開催した時、車椅子で見学にこられた方がいらっしゃいました。その方は、現在市営の福祉住宅に一人でお住いで、生活する上で少し不便な所があるので、相談にのって欲しいとのことでした。それは、浴室の中にある給湯器をつけるのに、手前にある段差を車椅子で超えなければならないことでした。そこで、この問題を解消するために、その段差にスロ－プを設けました。この時スロープは、床の掃除や天日干しするために取り外しができるようにしました。

それともう一つ、その方は車椅子で横転した時は、高い段の横まで車椅子を運び、その段に上って車いすにのります。その段に上るのに捕まる所がなく、車椅子に戻るには、３０分程度もかかるそうです。そこで、壁からロープを設け、それをつたって上がれるようにしました。その際、ロープは頑丈で握りやすいものにしました。

その方とお話をさせて頂いて、高齢者・障害者の方には、日常のちょっとした行為でも、大変な作業になると実感しました。

そこで、高齢者・障害者対応福祉住宅の「建築設計・施工術」というセミナーを受講しました。講師はＮＨＫなどに出演していらっしゃる河添竜志郎さんという方でした。講義は外廻り・玄関、通路・階段、トイレ、浴室、洗面所・台所、居間・寝室などの考え方についてでした。その他にも福祉器具や公的資金についてなど、とても参考になりました。講義を受けた感想は、福祉住宅はその人の立場になって、その人の意見を一つ一つ伺いながら、作っていかなければいけないなと思いました。

スロープ

リフォーム後

リフォーム前

ロープ取付

敷居かぶせ

床の張り替え

床の工事といっても、色々なケースがあります。その一つに床の段差の解消（バリアフリー）などがあります。
お客様から「ちょとした段差で足を打ったり、つまずいたりする」等の意見を良く耳にします。そのために新築工事では、最初から床の仕上がりを計算して段差をなくしたり、又、増改築の時でも床や下地(床下の構造）などを調整し、段差をなくすこともできます。
その他に費用をかけずにちょっとした段差をなくすには、少し傾斜のついた板（スロープ）をつける方法もあります。

介護保険制度を利用してのリフォーム

高齢化社会に伴い、一人暮らしをされるお年寄りや３世帯同居をされるケースが増えてきています。お年寄りにとって、段差や立ったり座ったりなどの行動は私たちの想像以上にハードです。お年寄りが暮らしやすい環境に整えるための小規模工事を市が負担してくれるんです。その制度を介護保険制度といいます。
（詳細は平塚市の介護保険制度のＨＰをご参照下さい。)

住宅改修費の支給（介護保険制度）を受けられた方のリフォームをご紹介致します。

浴室のリフォーム･その１

まず、浴室の入口の段差を無くしました。この段差をなくしただけでは、水が外に溢れてしまうため、排水溝も追加しました。そして、開閉が楽に出来るように扉を折れ戸に替えました。これで浴室への出入りも安全です。又、浴槽の横に手摺を追加しました。これで浴槽からの出入りもスムーズです。

浴室のリフォーム

浴室のリフォーム･その２

冬など体や髪を洗ったりする時、寒いですよね。せっかく、湯船で暖まっても冷めてしまったり。このお風呂は床暖房付ユニットバスなので、とてもあったか。お風呂のリフォームを考えている方におすすめです。
又、右写真は座シャワーといい、イスに座ったまま（今回のリフォーム例は車椅子で使用できるタイプです）、入浴できるという優れものです。ご高齢の方や介護の必要な方も身体に負担をかけず、浴槽入浴並みの温熱効果も得られます。心拍数の上昇は浴槽入浴の半分。車椅子のまま、お使いになれます。

浴室のリフォーム

トイレのリフォーム

以前は男性用と女性用のトイレが別々でしたが、間の壁を取り外し、車椅子のまま入れる広さを十分に確保しました。尚、便器を和式から洋式にかえて、手摺を追加しました。（壁は汚れがついても、拭くと簡単に落ちるパネルを用いています）
又、この洗面台は手動で高さ調節ができます。使う人のニーズによって、簡単に高さをかえられるので、とても便利です。

トイレのリフォーム